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上手い演奏ってどういう演奏なのでしょうね。

華麗なテクニック、ミスのない完璧な演奏、人の心を打つ情感などなど、上手いなあ〜と感じるところは様々です。

私が上手いと思うのは音色の良さです。

テクニックやミスの無さや情感表現とは違い、音色は最初の一小節だけで分かります。

澄んだ音色がすっと耳に届くか。

あーもっと聴きたい、もっと知りたい、作曲家の想いをこの美しい音色でどう奏でてくれるのかしら…聴きたい!

音色の良さって心にも脳にも染み込んでくるんですよね。

好きなピアニストの1人のユジャ・ワンさん。

彼女は賛否両論ありますが私は好きです。

だってニコニコ可愛いし、どんな格好でもいいじゃん、とっても楽しそうに演奏していて素敵だよ!と思います。

彼女の音色はポンポン楽しげに踊っています。

どんなに超絶技巧曲でも、ツヤツヤのカラフルなキレイな音の玉がポンポンポンッ!と生まれて昇っていくようで。

くどくて過剰な表現が無くて素直な演奏に感じますし、聴いていて心地良いです。

ピアニストではないですが米津玄師さんも好きです。

天才、偉大な芸術家、全てが素晴らしいですが何よりも声の質が別格ですね。

根本の音色が上質で、あとはその音色に、素直にシンプルに自身の想いを乗せる。

音色って持って生まれた才能の一つではありますか、正しい努力で幾らでも磨けるものだとも思います。




昔師事していた先生の発表会を思い出しました。

レッスンでは先生の厳しいダメ出しで泣きながらレッスンを受けている人がいたり、叱られて悔しい、何くそっ!という気持ちで家で練習していたり。

私は泣かされることは無かったですが、何くそって思いながらや悔しくて泣きながら練習してきた演奏って、どんなのか聴く前に想像できます。

予想通り、それは重苦しい音色でした。

ドロドロした感情がこもっていて、沈み足元に溜まっていくような音で、空気がどんどん澱んでいき苦痛でした。

どんなに暗澹たる曲でも、作曲家の悲痛な嘆きでも、苦悩の叫びでも、音が沈みっぱなしって無いように思うのです。

一度は沈んでも天に昇華されていくのが音だと思うので、溜まっていってしまう演奏を聴きながら私が目指したいこと追求したいことはここには無いなとピカッと分かった、ということがありました。

自身も、生徒さんへの伝授でも、音色を追求していかなくちゃなと感じます。

人にどう思われるかより、自分の音を聴いていて心地良いか、です。

大空に昇っていって柔らかく消えていくかのような、澄んだ音色。

いつもいつでも、音の質と行方をイメージしなくちゃね。




ピアノ教室フェリチタ

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