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音楽は何のためにあるのかなと考えたきっかけはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番でした。

ピアノ協奏曲の中で一番好きです。

演奏する曲は必ず背景を調べます。

作曲した年齢やどの国に暮らしている時なのか、作曲家を取り巻く環境、時代背景、出来れば美術史の方も。

どのような気持ちで楽曲を生んだのかを知ることが重要です。

今練習しているモーツァルトのヴァイオリンソナタは唯一の短調、母親を亡くした直後に作曲されレクイエムに聴こえます。

切なくて胸が苦しくなりますが、でも救いも表現されています。

今年度もモーツァルトは絶対先生方と演奏したいと思っていましたので、多喜先生に祈りを捧げる気持ちでピアノの前に座っています。




ラフマニノフが精神疾患で苦しみ、長いトンネルを抜けた先、自身を削るように作曲された第2番。

母国ロシアを想う気持ち、愛する美しい風土、匂い、風、空気感、短い春の儚さも厳しい冬の様子も色濃く現れています。

演奏会に向けて練習していた頃、友人に悲しい出来事があり、私もとてもショックを受けました。

友人の心情と、この曲をやっと生み出せたラフマニノフの心情が重なり、悲しくて悲しくて涙を流しながら練習していて、友人のことばかり考えていました。

この曲を友人に贈ろう…

苦しみも痛みも不安も、これまでの楽しい思い出も全部抱えたあなたを、同じ痛みを知っているこの曲でふんわり包み込んであげたい。

この曲が癒してくれる、苦しみを分かち合ってくれるよ。

あなたを想っているよ。

そう思うと更に涙が止まらなくなり呆れるほど泣きました。

きっと私自身も第2番に癒され寄り添ってもらっていたのでしょうね。

演奏会本番では、弾き始める前ピアノに向かって座っている私を見るだけで涙が出た、演奏に感動したと友人が泣いていました。

良かった、少しでも浄化されてくれたら嬉しい。

心に届けるために音楽ってあるんだな。

寄り添って笑顔になってもらうためにこの音色はあるんだなと、体験して分かりました。

言葉よりもストレート。

自分のためでもあり、届けたい相手のために奏でるのは幸せなことです。

私にとってかけがえのない一曲です。




来月から移動になるお店のスタッフに、曲を贈りたくて練習をしています。

最後の日に会えるのであと数日、美しい曲たちだなと存分に感動しながら練習しよう。

たくさんの思いを包み込めるよう。

4月から笑顔溢れる毎日になりますように。

希望ある春となりますように。

どうか心軽やかに過ごせますように。

今までありがとうの気持ちを持って、大切に、めいっぱい弾いておこう。

また音楽の意義を噛みしめたいです。




ピアノ教室フェリチタ

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