所沢市ピアノ教室フェリチタ

埼玉県所沢市のピアノ教室です。音楽の事、ピアノの事、レッスンの事、日々の生活の事・・・思いのままに綴っていきます♪

カテゴリ: セミナー受講

    ♪笑顔と音楽に満ちた教室です♪

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音楽総合力仕事UPワークショップの第6回、上田泰史先生の「チェルニー30番を読み解く~練習曲進化の中で」がありました。
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今回のファシリテーターは佐々木邦雄先生、芸大生やパリで研鑽をつまれたテノールの方の実演盛りたくさん♪のなんとも嬉しい会でした。

チェルニーは子供の頃からずっと練習していますが、本音を言うと、面白味がない……機械的な練習……のイメージでした。

が!!!

私の中のチェルニーイメージを覆す、驚きと感動がありました。

16世紀に生まれた「練習曲」の概念、最初は舞曲組曲だったと!

そして、時代と共に練習曲の形態が変わっていくそうです。

17世紀モーツァルトの時代には舞曲組曲からソナタ形式へ→短く簡潔な曲で指導しよう

ベートーヴェンの時代には小品集へ→様々な様式、ひとつの技巧がテーマとしてある

ショパン・リストの時代には、詩的なイメージを表現するジャンルへと発展する

フムフムフム……

ショパンとリストのエチュード以前に、音楽の構造・様式美・身体的メカニズムが充分に確立されていたのですね。

『楽譜の向こう側に、どんな音楽のジャンル・様式があるのかを知る必要がある』

と先生がお話されていました。

バレエの曲~バックにはオーケストラ、軽やかな上行と下行

ギター風の技法~弦をはじく連打の練習、スペイン風

まるで歌曲(とても美しかったです)

ヴァイオリン風~超絶技巧パガニーニの影響と面影

シンフォニーのよう

など、様々な様式・精神性と知性が内包されていて、ビックリ仰天でした。

これを知っていたら退屈な指の運動とは無縁だわ!音楽だわ!とウキウキしちゃいました。

『技巧的テーマが大きいですが、様式を学ぶことも練習曲の利点です』

大抵は2~3ページ、その短さのなかで、聴こえる構造、存在の美しさ、メカニズム、表現。

メカニズムだけでなく、精神・感性・知性を育むために昔から確立されていた練習曲というジャンルを、今一度見直そうと思います。

チェルニーを学んでいる生徒さん、音楽として充分に美しいことを伝えられるレッスンにしたい!

背筋が伸びますね。






 ~豊かで幸せな音楽時間~

バリトン・オペラ歌手の小森輝彦先生。

17年間ドイツでご活躍ののち、日本に戻られて5年だそうです。

『洋の東西のメンタリティーギャップ ~日本人が西洋音楽をするということ~』というワークショップ。

4曲も歌って下さったのですが、指先から足先までビリビリと伝わるような歌声でした。

実のある、内容が濃い歌声……

発音をとても研究されているとのこと、くっきりしているのに自然で滑らかなのは、言語として歌詞と向き合っているからなのでしょう。

西洋文化やメンタリティは、当然のことながら東洋・日本と大きく違います。

例えば、歌舞伎は「閉じて出す声」
オペラは「開いて出す声」

東洋が母性原理=公平・談合
西洋は父性原理=競争

と真逆なのですね。

♪ヴェルディ「椿姫より」
♪ブラームス「五月の夜」
想いがたっぷりと運ばれてくる演奏です。




日本人は震災を経験しました。

そのお話のあとに

♪「死んだ男の残したものは」谷川俊太郎 作詞/武満徹 作曲

を歌って下さったのですが、私たち聴いてる者は涙が止まらなくなりました。

『共体験があるから心がひとつになり感動するのです。この曲はいつも、空っぽの気持ちで、無我の境地で歌っています』

『空っぽになるために技術と教養、万全の準備が必要なのです』

空っぽになる……

本番で演奏するときには空っぽになる。

更に『歌う技術を得るには、今あるものを取っていく作業、自然に戻っていく作業が必要です』と。

空っぽ、取っていく作業、自然に戻る……

声を出すというのは本能に近いことなので、自然に戻るように……

ピアノ演奏にも通ずると思うのです。

『ピアノを弾くとき、洋服を着ていくように感じますか?それとも脱いでいくように感じますか?』との問い。

私は脱いでいくように感じるのですが、上からどんどん覆い被せていくのではなく、自分の本質を見つめ、掘り出していく感。

『無我の境地で音楽に向き合う』……これはなかなか出来ないものです。

あれやこれやの不安、アピールしたい感、こてこてに盛って盛って。

本質へ向かおう。

ただ、ブラームス。

ただ、モーツァルト。

手放すのは不安が付きまといます。

技術と教養と万全の準備、これを持って、空っぽへ、無我の境地へ。

うーん、難しいですが、目から鱗どころか、目の球が落ちそうなくらいの言葉、ちょっとした衝撃でした。

面白いのですが、ビビビッ!ガツン!という言葉に出会うと、脳の前側が明るく開くように感じます。

♪「さびしいカシの木」やなせたかし作詞/木下牧子 作曲

こちらも涙が出て、日本語って美しいのだ……としみじみします。

『音が出る前から音が見える、それが良い演奏です。イメージを伴った準備が必要です、ブレスにも音程があるのですから』

ピアノとの共通点、いえいえ、音楽の共通点ですね。

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小森先生の言葉にとても共感し、載せました。

このワークショップの先生方は、皆さんとても温かく真摯です。

あー素敵な先生方、やっぱり人間性、重要ですね。




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         所沢市
  ♪ ピアノ教室フェリチタ(矢崎ピアノ教室)♪

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 ~豊かで幸せな音楽時間~

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第4回は、協奏曲のヴァイオリニスト・コンサートマスター・指揮者と多才な清水醍輝先生です。

協奏曲を〈大きな室内楽〉ととらえ、スコアを読み解いていきました。

『共有する音楽』

・イメージしながら進み、予測をすること。

・心の目で観よう、呼吸を感じよう。

・左手でテンポ感を伝えよう!

・楽器が増えれば、その分アンテナを増やさないといけません。

・管楽器とのアンサンブルは呼吸が学べるのでオススメです。

・是非いろいろな楽器と合わせをして、その楽器の特徴を学んでください。
声楽の伴奏も、言葉のアクセントやニュアンスに合った和声がきちんとくる、など、ピアノソロに必ず生きます。

ビビビっときたお話、先生は管楽器と『音速を合わせる』のだそうです。

音速!

考えたこともなかったです。

「楽器によって音速が違うので、弓を持つ右手の手のひらで呼吸をするつもりで音速を合わせます」のですって!

フムフムと、今日ヴァイオリンの練習の時にイメージしてみました。

ピアノ以外の楽器、発音や音色、そして音速。

知りたいです!




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 ~豊かで幸せな音楽時間~

4日(火)にありました、赤松先生の「バロック・インベンション講座3回目」

11番から15番までを丁寧に解説してくださいました。

バッハ、やはりクラシックにおいて最重要作曲家ですね…

1・2回目でもお話くださった「装飾音符を上手に扱うことが情感の表現に通じています。それが教育的メッセージ・インベンションの意義のひとつです」

このモルデントはこう弾くべきだし、このターンはこのように。

「理由があってそうするのです、それが情感を表しているのですから。それを生徒さんに伝えてあげてください」

指が動いてなんとなくキレイに弾ければいいか!などでは通過出来ませんね…

どのくらいのスピードか、上の音から入れるか否か、目立たせたいのか歌わせたいのか。

その箇所箇所で違います。

緻密に考え作曲されている、感情が表れている、うーむ、装飾音符…

楽譜をよく分析して考えないといけませんね。




先生が大切にしている3つのことを教えてくださいました。

1つ目、様式感~イタリア風かフランス風か、アリオーゾか器楽的か、様式は衣裳なんですって。

相応しい衣裳を考えましょう、と。

2つ目、テンポ~衣裳に合う靴が必要ですね、舞曲なのか歌なのか。

3つ目、和声~タイの音の扱い、休符によって和声を感じる、シンコペーションでの和声の意味、など和声をしっかり感じてください、と。




先生はよく「ここはとても美しいですね」「美しい曲です」とお話しされます。

このフレーズが大好きなんです。

美しさを感じられることはとても大切なことのように思います。

心をわしづかみにされてしまう、たまらない美しさ……

バッハってやっぱり神だなあ。




赤松先生の演奏を聴いたり、セミナーでお話を聞いていると、いつも「天に応援されている方だな」と感じます。

音楽の真髄を・音楽の美しさを伝える、というような使命でしょうか。

とても真摯で勉強家で、演奏家としても才能豊か。

音楽の大切なことを惜しみなく分けてくださる。

頭脳明晰、お話の仕方も丁寧でソフトで実に分かりやすくて、本当に素晴らしい方だな~としみじみします。

1度レッスンを見て頂いたことがあるのですが、きっと初心者や上級者まで音楽に触れる誰に対しても同じように接し、音楽を深く深く見つめて大切なことを伝える努力を惜しまない、という姿勢に感動したものです。

たった1度のレッスンでも感じるのですから、人間性・生きざまっていつでも発しているものですね。

数々のセミナーを受講していますが、赤松先生は別格です。

インベンション、1番から順番に、丁寧に弾いてみようと思います。




10月には「ロマン派のペダリング」を受講します。

先生のペダリングは絶品です。

ご興味ある方は是非、東音セミナーです。




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 ~豊かで幸せな音楽時間~

21日(水)にありました、第3回目のワークショップは、小川典子先生の「ピアニストになって得たもの、失ったもの」

リーズ国際コンクールでの受賞から英国と日本での二重生活が始まり、女性ピアニストが世界的な活動をするのはどういった難しさがあるかもお話してくださいました。

・スケジュールを体力に合わせて決めること

・家族関係と友人たちも大切にし、人間としてのバランスもとる

・審査員などの仕事もあって多忙でも、練習時間をきちんと取る(ピアノはどこでも練習出来るわけではなく、限られた場所でしか練習できませんので、とお話しされていました)

そして練習する際に心がけていることをお話してくださいました!

①片手づつの練習を大切にしています~楽譜に書いてあるひとつひとつに価値があり全てに意味があるので、それを検証し積み重ねています

②あらゆる可能性を求め、色々な練習法を考え練習しています

1音ずつ緻密に、研究と練習に時間をかけていらっしゃるのですね。

先生の演奏は、くっきりと輝き華やかでした♪

今年の浜松国際コンクールでは審査員を勤めるそうです。

「コンクールで受賞したらば、仕事に繋がるといいなと思います」とお話しされていました。

小川先生、ありがとうございました。





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